最後のプレゼント②




 日本に帰ってきました。で、はじめに感じたことは、「寒い!」

私が住んでいたまちも、帰りに立ち寄った上海もとっても天気がよくっ

て、20℃くらいまで気温があったんですよね。今日なんか雪がちらつい

ています。そういえば、この雪。日本で見る初雪になりますね。中国で

見た雪と違って、べたっと湿気が多いところにも日本に帰ってきたんだ

なぁと、改めて感じます。


 さて、前回に少し触れました講義、何とか無事こなすことができまし

た。テーマは、日本に関することなら自由に設定してよかったんで、私

個人の日本の生活を例にして、日本人の生活習慣、そしてそこから見

る日本人の精神、道徳といったことについて、お話をさせてもらいまし

た。


 精神やら道徳といった講義を、不道徳な私が行うのに多大なる問題

があるのはさておき、大きな講義室に早くから多くの学生が集まってく

れ、始終真剣な眼差しで聞いてくれました。最後には、ひっきりなしに

質問もくれて、いただいた90分の時間はあっというまでした。

 こちらに来てまもなくに、大学生たちの勉強熱心さに驚き、そして帰国

する直前になって、またもや彼らから多くのエネルギーを、おみやげに

もらったような気分になりました。


 そんな彼らと久しぶりに会えたうれしさもつかの間、まもなく帰国しな

ければならないのかと思うと、それまでそんなに感じなかった寂しさが

途端にこみ上げてきました。

 大学を後にしようとしているところ、講義を行った建物の入り口付近

に、今回の私の講義内容を紹介する大きな立て看板をみつけました。

聞けば、急な開催にもかかわらず、手作りで学生たちが作ってくれたと

のこと。講義のテーマに私の名前、場所と時間が書かれてあって、そ

のまわりに桜の花が咲き散っている様子が描かれてありました。不器

用そうに書かれた文字に、日本人である私を気づかって描かれた桜の

花。あぁもう、思わず泣きそうになりましたね。もっと、もっと彼らとの時

間を大切に過ごせたはずだったなぁ、と悔やまれます。素直で素朴な

彼らの気持ちと笑顔は、何よりのおみやげになりそうです。


 そんなふうにして、私の3ヶ月の研修も終わり、また日本での生活が

はじまります。中国では、自分たちの将来に大きな希望をいだき、より

よい国づくり、まちづくりにいそしむ人々に出会いました。こうしたエネル

ギッシュな個人の集合体が今の中国の勢いとなっているのでしょう。今

回の経験は、これまでの自分のあらゆることへの取り組みを見直すきっ

かけとなりました。また、ここで磨いた新たな感性で生活、仕事、プライ

ベートをより充実したものにしていきたいものです。国や地域といった社

会の充実は、まずは、個人の充実からですね。あと、今回いろいろ難儀

した中国語、これからも勉強は続けますよ。新たに趣味がひとつ増えま

した。それでは、また。





  

Posted by ニッシー at 22:15Comments(1)TrackBack(0)

最後のプレゼント










 帰国準備にあわただしい毎日を送っています。ブログの更新もままな

らないんですが、今回はチョビっとだけ。


 これまでお世話になった方々から、これまた多くの送別会を行ってい

ただき、さわやかな笑顔の私も涙にくれんばかりです。そんな中、お世

話になった大学のおえらい先生から、このまちを離れる最終日に、学生

向けにひとつ講義でも。ということで、出発の2日前にお達しをいただき

ました。えぇ、もう慣れました。こっちに来てから予定はないんだというこ

とに。

 で、どんなだったか?それは帰国してからご報告させてもらいます

ね。

  

Posted by ニッシー at 02:04Comments(0)TrackBack(0)

チョビっとつれづれ⑤




 先週末、これまでいろいろとお世話になった大学や、よく散歩で行っ

た公園などをゆっくりと巡ってきました。おそらくもう来ることはないんだ

ろうなぁ、と思いながら、はじめて訪れたときのことを思い返していまし

た。ちょうど大学では、冬休みが終わり、故郷から戻ってきた学生たち

が大きな荷物を抱えて、えっちらほっちらと構内を歩いている姿が見ら

れました。まもなく多くの学生が行き交う、にぎやかなキャンパスが戻っ

てきます。また、公園や川沿いでは、家族連れでにぎわういつもの光景

が広がり、大きな声でにぎやかに談笑する老人たちの姿もあちらこちら

で見られます。

 はじめ新鮮だったこうした光景にもいつの間にか慣れてしまい、自分

の中であたりまえに存在するようになっていました。そうして自然と心や

すらぐ光景になっていたことに気づいて、チョビっとしんみりとした気持ち

になってしまいました。

 そんな私を偶然見つけて、はるか彼方より名前を呼ぶ現地の友人の

ドデカい声が。こんなことも、もうないのかなぁ。


 さて、帰国まで残すところ、10日余りとなってしまいました。これまで

の短い人生のなかでも、やっぱりこの3ヶ月は圧倒的に早く感じます。

1年の1/4が過ぎようとしているんですが、こんなに短かったかしら

ん?このブログの更新もあと何回できるやら。もう少し続けさせてもらい

ますね。





 今回は、日に日に変わりゆくまちの姿について触れてみたいと思いま

す。

 12月はじめに到着した頃からも、そしてこのブログのときどきでも触

れているように、まちじゅうが建設ラッシュに沸いています。どんな建物

が多いのかというと、30階以上の高層マンションが半分以上を占め、

あとは同じく高層のホテルなどが多いですね。役所関係の建物もどん

どんまちの郊外に新しく建て直されています。日本のように地震の心配

がないため、建設コストは非常に安いそうですよ。そのため、売り出し

価格もいくらなんかと現地の方に聞いてみたところ、最新の高層マンシ

ョンで100㎡くらいの物件だったら、600~700万円くらいと驚きのお

値段でした。





 まちの大通りでは、そうした建物を良く見かけるんですが、ちょっと路

地に入ってみると、そこは昔ながらの光景が広がっていて、タイムスリ

ップしたような感覚を覚えます。道端で忙しそうにミシンで服を繕ってい

るおばあちゃんがいたり、子どもとニワトリがいっしょになって走り回って

いたりと、そこでは時間もゆっくりと流れているようです。レンガ造りの昔

ながらの人肌を感じさせるあたたかさと、洗濯物などの人々の生活感

が入り混じった光景は、飾り気のない素朴なこちらの人々の人なつっこ

さを思わせます。





 こうした昔からの風景が取り壊され、どんどんと新しい洗練された住

宅や、大型商店が建設されるのは、このまちの人々が求めた結果では

あるんですが、私には、無機質で洗練されたまちよりも、路地裏にひろ

がるような、人肌のあたたかさを感じる光景にどうしても魅力を感じま

す。まぁ、田舎育ちの一時的な滞在者である私の一人よがりなんでしょ

うが。

 ただ、こうした昔ながらの住宅は、時間とともに取り壊され、新しくなっ

ていくんですが、個人商店や市場といった昔から多くの人があつまる場

所は、昔と変わりなく、あり続けているようです。現地の方々に誘われ

「おいしいよ!」ということで、いろんな食堂によく連れて行ってもらいま

す。たいていは、日本人から見て決して衛生的とは言いがたいところが

多いんですが、味は格別(辛さも格別!)。そして、そこに集まってくる

人も常連さんのような気軽さと、安心感をもっているようです。また市場

では、いつ行ってもにぎやかな客引きの声や、果てしない値切りをする

おばちゃんの声が聞こえ、うなだれた店のおっちゃんを見ることができ

ます。

 昔からの有機的な人と人との結びつきがある場所は、時流に関わら

ず残っているのが、このまちの一つの特徴なんでしょうかね。散歩をし

ていても決して飽きることがないのもこうした光景を、まちのあちらこち

で見ることができるからなんでしょう。





 日本にいたころ、よく新聞やテレビなどでは、すさまじい経済成長が

報道され、ここ数年で中国がいかに大きく変化したか、とよく耳にしまし

た。経済成長率や貿易収支、個人所得額といった機械的にカウントで

きる統計数字、そして目に見えて感じられる高層建築や道路といった

部分では、確かに大きく変化しているのでしょうが、統計数字に表れ

ず、オモテに出てきにくい、有機的で昔からあり続ける人々の結びつき

や人なつっこさなどは、昔と変わらず残っていて、これからもあり続ける

のでしょう。


 また経済、文化のグローバル化ということで、世界中がアメリカ的価

値観一色となり、多様性のない世界に向かっているとよく聞きますが、

私たち日本人や中国人には少なくとも、それは、あてはまらないように

感じられてなりません。マクドやケンタにコーラ、ハリウッド映画は、日

本はもちろん、ここ中国でも大人気ですが、こうした価値観や食文化を

とりいれつつも自分たちの趣味趣向は、尊重するまでもいかなくとも、

楽しみとして決して忘れることはありません。真っ赤なジャケットにヴィト

ンのバッグを提げて闊歩する、キレイなオネエさんにすれ違いざま振り

向いたり、食べ物は相変わらず辛くて、マクドでは、ハンバーガーに七

味とうがらしのようなものを振りかけて食べる女の子に驚いたりと、多様

性と混在を楽しむ包容力が私たちには、あるように感じます。

 グローバル化の波を逆手にとって飲み込み、新たな価値観を生み出

して、世に出していくことが私たちの得意とすることではないかなぁと思

います。日本のコンテンツ文化なんてその典型のように私には感じられ

ます。


 なぁーんてことを、散歩しながら悶々と考えたりなんかしてたんです

が、あいかわらず一人よがりが過ぎましたね。まぁでも、こんなふうに考

える貴重な体験をさせてもらっていることに日々感謝しています。大きく

変わりゆく姿の中に、昔ながらの光景を残すまちは、こちらの中国人を

象徴しているようです。


  

Posted by ニッシー at 23:05Comments(0)TrackBack(0)中国人

表情ゆたかなまち




 久しぶりのブログ更新となってしまいました。ここ最近、ネットの接続

状況が悪くあたふたとしていたんですが、何とか復旧できました。これ

まで気ままに書いては、更新していたんですが、今回のことで、ブログ

が自分にとって、日々の中国語から解放されて、気分転換になってい

ることに気づくことになりました。


 さて、そんな中国生活も残りわずかとなってしまっていることにお正月

気分もすっかり冷め、帰国準備に向けて少しずつあわただしくなってき

ました。そしてこれまでの多くの思い出とともに、撮った写真もけっこう

な数になっていました。その中で、「おっ!」と思ってついつい撮ってし

まった写真がいくつかでてきましたので、ほんの一部ですがご紹介しま

すね。まずは、こちら。





 これは、公園にあるローラースケート場の外壁に書かれてあったもの

なんですが、最初に発見したときは、落書きかなぁと思い、よく見ると

「音楽」、「茶座(カフェテラス)」の文字がありますねぇ。そして女の子

と、クリッとした頭で滑っているおじさんがいます。どうやらこの壁の向こ

うのスケート場をアピールしているようなんですが、なかなかシュールで

す。スケート以外にも何かうったえかけてくるようです。お次はこれ。





 これまた、なんと言うてよいやら、アバンギャルドなクルマがありまし

た。私なんか、はじめて見たときは、遅咲きの舞台女優が初舞台で気

合をいれすぎて厚化粧をしたような感じを受けましたね。まぁ、すでにお

気づきかもしれませんが、結婚式の新郎新婦が乗るクルマなんですね

ぇ。たいてい黒色のセダンを飾っています。1月はじめの新年を迎えた

頃は、特によく見かけました。現地の方が言うには、1月は一番結婚式

が多い月だそうですよ。

 高速道路を走っているのを見たときは、飾りの花やリボンをまき散らし

ていて、幸せを撒き散らしているようで、新郎新婦の幸せぶりが痛いほ

ど伝わってきましたね。そして最後はこれ。








 なかなか入り難い雰囲気をかもし出していますね。しかしこっそりとし

ているでもなく、堂々とした潔さすら感じられます。しかも平日、休日問

わず明るいうちから営業していることに驚愕していたら、ここはちょっとお

高めの紳士服のお店だったんですよね。いやはやほっと(何に?)する

とともに、怖いもの見たさの好奇心が萎えてしまって虚脱感を感じてし

まいました。中国語の勉強がまだまだ足りんな。悩ましいお店でした。


 このように、散歩の途中で発見しては、こまめにシャッターを切ってい

ます。すべての写真を数えてみたら1,500枚を超えてしまっていまし

た。同じ道を歩いていても朝と昼間、そして夕方や夜ではそれぞれちが

う表情を見ることができて、ほんと飽きることがありません。このまちと

も、もうすぐお別れになると思うとさびしい限りですが、残り少なくなった

日数を、最後まで貪欲に楽しみ、大切に過ごしたいと思います。


  

Posted by ニッシー at 17:34Comments(0)TrackBack(0)生活

雪解けとともに




 お正月まっただなかな中国ですが、このお休み、公務員であれば12

日くらいで終わってしまうんですが、民間企業の場合は、22日くらいま

であるみたい。今年は、2月7日が旧暦の元旦であることから、だいた

い旧暦の1月15日までがお休みのようですね。個人の商店をはじめと

する多くのお店は、つい最近まで閉まってました。

 また、心配していた雪もすっかり解けてなくなり、時間をみつけては、

春節のライトアップを眺めながらの気持ちのいい夜の散歩を楽しんでい

るんですが、私のような純粋な散歩愛好者とは別に、カップルが多いで

すね。クリスマスはすでに過ぎ去ったハズなんだが・・・


 さて、あいかわらず悩ましい春節休暇ですが、中国人にとってこの春

節は、家族や親類とのんびりと過ごすことがその醍醐味なんですね。

 いろんな人のお宅におじゃまして、おいしい中国茶(花のお茶が多く、 

日本では特に女性に好まれそう)を飲みながら、みんなでおしゃべりし

たり、テレビを見たり、はたまたマージャンをしたり、とのんびり過ごして

います。私も休日はのんびり過ごすことが好きで、時間の感覚が彼らの

ペースと合い、居心地がよくてついつい長居をしてしまいます。


 で、彼らの家におじゃまして「あっ!」と発見しました。それは、日本の

ようなおコタがあるんです!床に座る日本のそれとはちがって、おコタ

の脚がそのまま長くなって、イスやソファで座るようなタイプのものなん

ですが、ほっこりと身も心も暖まります。さらに、その卓上には、みかぁ

ん!あぁ、中国人にとってもそれは王道なんですねぇ!みかんの他に

も、はじめて見るようわからん果物がいろいろあって、どれもおいしくて

勧められるまま食べてばっかりのカッパえびせんな状態(やめられない

とまらない)になってましたね。しかもそのおコタ、上の卓をひっくりかえ

すとマージャン台にはや変わり!おばぁちゃんから、かわいいおネエさ

んまでいっしょに卓を囲んではじまります。しかもえんえんと。みんなホ

ント好きなんですね。





 そのおコタに入ってみんなで見るテレビも、新春漫才があったり、大晦

日には紅白のような歌番組があったりと、けっこう日本のテレビ番組と

そっくりなんですよね。あの和田あき子のような男性歌手は誰だったん

でしょうか?


 また、こうしている中も、どんどん人が集まってくるんですよね。お酒を

持って来る人、果物やお菓子を持ってくる人、と何かしらを手にして。ど

うやら新年のあいさつに親戚まわりをしているよう。そんなところへ、私

のような日本人がコタツムリになって思いがけずいるもんなんで、何や

かやと話しかけ、何やかやとお酒を飲み、飲まされます。


 夕食は、やはりというか、当然というか、いやはやというか宴会になる

ことが多いです。こうした一般の家にも中華独特のターンテーブルがあ

るんですよね。

 そして、その食事も女性が作るお宅もあれば、男性が作るもあり、は

たまた夫婦であーや、こーやとにぎやかに作っているお宅もあって、そ

んな姿がチラチラと見えるのは微笑ましかったです。家庭料理の男女

共同参画は日本よりも進んでるのかも?





 にぎやかな宴会のあとは、こちらの方は足うらマッサージに行くことが

多いようですね。だいたい1時間で10元~40元(160円~640円)と

お安いです。靴下を脱がせてくれて、丁寧に足を洗ってくれるんで恐縮

する思いです。なかなか痛気持ちよくて、けっこうハマりますね。マッサ

ージしてくれる女性と他愛のないことを話すのもなかなか楽しく、また中

国語の勉強にもなるんで、よく行ってます(中国語の勉強にね)。





 このように、人々のふれあいを楽しむのんびりとしたお正月を過ごして

います。雪解けとともにやって来たような、天気も人も暖かなお正月で

す。


  

Posted by ニッシー at 07:15Comments(0)TrackBack(0)生活